小麦アレルギーの最終的な確定診断は、必ず医療機関で行う必要があります。自己チェックで小麦との関連性が疑われても、症状の原因が本当にアレルギーか、それとも他の消化器疾患や不耐症なのかを区別するには、専門的な検査が不可欠です。ここでは、医療機関で行われる主な診断方法と、診断を受けられる施設の探し方、費用の目安を紹介します。
1. 医療機関で行われる主な検査
問診と症状のヒアリング
医師はまず、発症時の状況や症状の内容、摂取した食品などを詳しく聞き取ります。この際、食事日記や自己チェックの記録があれば診断の精度が高まります。
血液検査(特異的IgE抗体検査)
血液中のIgE抗体の量を測定し、小麦に対して免疫系が反応しているかを調べます。
メリット:比較的簡単に検査可能
デメリット:陽性でも必ず症状が出るとは限らない
皮膚プリックテスト
小麦たんぱく質を少量皮膚にのせ、針で軽く刺して反応を見る方法です。皮膚が赤く腫れれば、アレルギー反応の可能性があります。
メリット:短時間で即時型反応を確認できる
デメリット:皮膚の状態や薬の影響で結果が変わることがある
食物負荷試験(経口負荷試験)
医師の管理下で小麦を少量ずつ摂取し、症状の有無を確認します。重度アレルギーの場合は命に関わるため、必ず救急対応可能な環境で行われます。
メリット:もっとも確実な診断方法
デメリット:時間とリスクが伴うため、慎重な準備が必要
2. 日本で診断を受けられる医療機関の探し方
日本アレルギー学会の専門医検索
全国のアレルギー専門医を都道府県・診療科別に検索可能。
→ 検索例:「日本アレルギー学会 専門医検索」
大病院・大学病院のアレルギー外来
「食物アレルギー外来」「免疫アレルギー科」がある場合が多く、予約必須。
小児の場合は小児アレルギー外来
日本小児アレルギー学会HPや自治体の保健センターで紹介可。
皮膚症状が主な場合は皮膚科
蕁麻疹や湿疹中心の症状なら皮膚科でも検査可能。
3. 検査費用の目安(保険3割負担の場合)
血液検査(IgE抗体):1項目約500〜1,000円/アレルゲンパネル(約20項目)3,000〜6,000円
皮膚プリックテスト:1回(数項目同時)1,000〜2,000円
食物負荷試験:外来型 3,000〜6,000円、入院型 1〜3万円(+入院費)
紹介状費用:1,000〜3,000円程度
💡 自費診療の場合は上記より2〜3倍高くなることがあります。
4. 診断を受ける際のポイント
検査前に自己判断で小麦を完全に除去しすぎない(診断困難になる可能性あり)
症状や発症タイミングなど、具体的な情報を医師に伝える
検査結果と症状を総合的に評価してもらう
次の章では、診断結果を踏まえた日常生活での小麦アレルギー対策について解説します。外食時の注意点や代替食品の活用法など、実践的な方法をご紹介します。
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